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帰ってきて上着を脱ぐ前に窓を開け、部屋を換気している。やっぱり寒い。
朝に投げ込まれていたらしい水道料金の紙を見る。前月よりすこし、増えていた。
生活のさまをこういうふうに数値化されることは面白いと思う反面、暖の取り方を工夫しないとな、と思った。ただまあ、寒がりなので冬は仕方ないのかなと感じる。夏は窓を開けていればよかった。
生きるために、別のところで時間と労力をつかって、お金という融通のきくエネルギーに変換する。そしてまたそれで、あたたかくすごす。
このループ、よくできてる。
筋肉に力が入るたび、痛くなる。
折れ曲がってまた、別のところが痛くなって、気が遠くなる。
気を失っちゃだめだと、文字どおり気を確かにもつことですこし防げることがわかったんだけど、いっそ意識が飛んでるあいだに波が去っていればいいのに、と思う。
怖いのはそのとき頭をぶつけたり床で冷えること。
痛み止めを1シート、ポケットに放りこんでゾンビのように外に出た。
市販の薬ですむのだからきっとまだましだ。
なにか大仰な病などではない、それでもつらいものはつらい。
働けなくなるんじゃないか、また倒れ込んで数ヶ月起き上がれないんじゃないか、怖くなる。
たぶん、面倒とか嫌いより、「怖い」は強い。
それを乗り越えられるのは自分しかいないのだよなあ。
なんとかやってこうぜゴミなりに。