ずっと、試されることが怖かった。
受験も、未だに受けたことのない原付の免許も、怖かった。
ああ、やっぱり、とおのれのできなさを再認識させられるのが怖かった。
くやしい、次こそは、と奮起する以前に、ああ、やっぱりだめだよな、と暗いところに戻るだけだった。
経験や実績もないから、能力をかわれて、なんてこともなかった。
これまでなぜ採用されたかといえば、そこの偉い人に感覚的に気に入られたから、それ以外ない。

うまくいったことがなかった。
うまくいっていたことさえ、そう捉えて記憶していないくらい、自分を肯定できなかった。
成功した記憶がなかった。小さいながらもあるはずなのに。
それは、わたしのせいなんだろうか。
これまで、重要な場面で、強く否定されて生きてしまった、刷り込まれてしまったその部分は私のせいじゃない。
立ち直ろうとしているのに。
怖くてパニックにならないためにはどうしたらいいのだろう。

できて当たり前のことができただけで、成功ではなくて、やっと人並みのラインに立つことができた、というだけ。
そんなもの成功じゃない。ゴミのようなやつが、普通になりかけただけ。

安全なところにいたいと思ってしまうのは、悪いことではないよね、鎧も武器もないのに、戦うのは、とても怖い。
誰にも文句を言わないから、悪いのは私の質だから。
この職場でも取り立てて必要とされていないのがよくわかる。
それは合理的な理由からも、理解してる。


そういうふうに考えてしまうんだ、いやなのに。
体調と疲れのせいだ、寝たら戻るよ。戻ってほしい。

キャリアアップや昇進とかでなく、いくばくか時給が上がる、くらいのステップアップしかイメージできないのは、私が愚かなのかな。
ああ、自分に何ができるとも思えない。
それがかなしい。やりたいことも思いつけない。はたらきたい、安心したい。
短絡的だけれど、単純で、それでは長く暮らしていけないよと言われても、生活できなくなったらそのときは死ぬんだよ、生き物は。自然なことだと思う。そのときが終わり。

福祉や倫理や社会論で紛らわしているけど、そういうものだよ。

どうしたらよくなるのだろうと舵を切り替えて考えるのは明日にしよう。
どうせすぐには変われない。
よくなりたいだけだ、短くとも生きてるあいだは。